1993年3月17日、ワールドメイトの元会員と名乗る女性2名が、ワールドメイト教祖・深見東州にセクシャルハラスメントを受けたとして、ワールドメイトの教祖・深見東州に損害賠償を求める訴訟を、横浜地方裁判所に提訴しました。
同時期に、村田某という人物が、ワールドメイトの乗っ取りと教祖の信用を失墜するべく、国税やマスコミに、嘘のたれ込みをするという事件が起こっていましたが、セクハラ裁判を起こした女性2人は、村田という人物と非常に懇意にしていた会員でありました。
しかし、この当時、村田という人物が教祖の信用失墜運動の首謀者であるとは、判明していなかったため、あとから真相が判明したといいます。裁判が進むにつれて、村田某の直筆の指示書などが見つかり、それが雑誌に掲載されるなどしたため、真相が公になったのです。
セクハラ裁判の判決やら、経緯については、多くの情報はありません。この種の裁判は、通常、非公開の形をとることが多いため、この裁判も同様としたのかもしれません。
女性2名の主張は、いのうえせつこという人物の著書に書いてあります。この本は、係争中に、裁判を有利に運ぶために出版したという説もあります。著書の記述によると、女性2人は、教祖と二人きりになり、身体を触られるなどしたという旨の主張をしています。(ちなみに、どこにも、セックスをしたという記述も見当たらないようですから、さすがに、そこまでの嘘はつけなかったようですね。)
この2人は、いずれも、「二人きりのときに」と主張していますが、教祖と二人きりになることなどありえない、という矛盾点が指摘されています。この当時、教祖には、男女1名ずつ以上のお付きスタッフさんがそばにいたというのです。そのスタッフさんたちが、誰も、現場を目撃していない状況であり、目撃者ゼロの極めて不可解な主張であるとされていました。
また、本当にセクハラをされたのなら、警察に相談すればいい話です。しかし、このとき、一切、警察沙汰となっていません。これは、このセクハラ主張がどうみても犯罪性がないもの、と判断されたという証拠であると思います。
1993年11月17日、ワールドメイトリーダーが原告に対し解決金を支払うこと、謝罪文や謝罪広告等一切ないこと、双方口外をしないこと等を定めた訴訟上の和解が成立。現在では分派活動の一環と分類されるこの訴訟では、首謀者に利用されて職を失った形の原告2名の今後を見かねて、請求額より多い解決金が 支払われるという措置が取られました。司法筋によると、ワールドメイトリーダーはセクハラについて全面否定しています。分派活動の終息以後、同様の事件は起きていません。
女性2人が裁判の真っ最中である当時、女性をそそのかした首謀者がとんずらし、女性2人が路頭に迷うというハプニングが起こったそうです。ですから、女性2人は、このあとどうしていいかわからず、お先真っ暗という状態になってしまったのです。
これを見かねた深見東州が、宗教的、人道的な見地より、女性2人に対して手をさしのべたということのようです。ある意味、女性2人も、首謀者に利用されただけである、という一面もあったということでしょう。
ちなみに、深見東州は、決してセクハラを認めていませんし、このとき支払われたのは、和解金ではないといいます。裁判官から、「こういうことは、女性からは取り下げしづらいものですし、解決金を支払って一刻も早く裁判を終わらせたらどうですか」という旨の注進があったそうです。
こうしたセクハラ裁判については、当時から今まで、ワールドメイト会員には随時情報公開がありました。(もちろん、女性2人のプライバシーに関わるような情報公開はありません。)ですから、当時から在籍している会員なら、誰でもが知ってる話です。
深見東州の人柄からすると、セクハラなどありえないことです。また、自分の立場よりも女性2人の将来を心配するという心遣いは、いかにも深見東州らしい選択だと納得したものです。ことの顛末は、当時の雑誌『微笑』にも掲載されています。
「ワールドメイトと報道被害」より引用 信仰とは何だろう。同じ価値観、世界観をもった者同士が集まった教団で、あろうことか“セクハラ騒ぎ”が起きていた。騒動に見え隠れする暗闘の全貌を! |
昨年12月、ある宗教団体を巡るセクハラ事件のてん末が報道された。全国紙では『毎日新聞』がベタ記事、スポーツ誌も同様の扱いであったが、ローカル誌の『神奈川新聞』のみが四段ぶち抜きの大報道を展開し、注目を集めた。一連の報道などによれば、事件の概要は次のとおり。 |
口外するなと裁判長が……
ところで、そもそもコスモメイトとはいかなる宗教団体なのだろか。新興宗教や霊能カ者関係の著作をもつ、宗教ジャーナリスト・松山博史はいう。 |
▽まず、コスモメイトは何を目指しているのですか 深見 芸術、スポーツ、社会福祉は民族、宗教、国家を超えた共通言語です。この共通言語を活用し、世界の宗教と手を携え、混迷の世界を希望と秩序のある世界に立ち戻らせることを目指しています。それが神仕組み(神の御意志)ですから。コスモメイトでは日本ブラインド・ゴルフ(盲人ゴルフ)協会を設立しましたが、これはスボーツを通し障害者にも素晴しい人生を歩んでもらいたいという願いからです。
▽今回のセクハラ事件の真相をズバリうかがいます。
深見 真相といっても、何もないですからね。私には24時間、2人の秘書がついているから、女性と密室にこもるなんてことはあり得ない。また布教のため国内外を飛び回っているから、住所不定みたいなもんでね(笑)。 心やましき者に逆手を!
▽原告の請求額を上回る和解金を払った理由は。
深見 和解金ではなく解決金です。
▽労働争議との絡みは。 深見 身内の恥をいいたくなのですが、コスモメイトの有力幹部が分派活動をしていて、それが発覚。辞職させられたことへの、意趣返しとして、ありもしない不当労働行為やらセクハラを持ちだしたのです。それに対して、私は宗教家として対応するしかありませんからね。
▽今回のことでどう反省していますか。 信仰は信仰以外の何物でもない。信仰を利用する心やましき者は、現世の塵芥にまみれるたけ。今回の事件はコスモメイトに降りかかった初の法難ということなのだろう。 |
今はなき雑誌「ゼンボウ」を発表媒体に選んだジャーナリスト武藤勇は、決定的証拠をつかむ。
Mは1993年初頭、自身が主催する「新年会」名目のカネ集めセミナーなどに奔走する一方、懇意の知人に働きかけては、自身への協力を持ちかけていた。
その頃、M自筆の手紙2通のコピーを入手したのが武藤勇である。
その手紙は「丘叡」なる人物に宛てたもので、分派活動の現状を知らせることと、対マスコミ策動の支援を請う内容だった。
そして、「女性陣の立ち上がりまで時間をつなげる」と、「女性陣」をコントロールしている事も明記されていた。
この、「女性陣の立ち上がり」が、前述のMの女性秘書ら2名による、深見青山にセクハラされたという訴えであった。
同氏の記事から抜粋しよう。
「コスモメイトの内情に精通し、深見青山を知る元幹部スタッフはこう語る。
『ああ、あのセクハラ騒動? あれは、OとYという二人の元スタッフが深見さんから体を触られたといって損害賠償を横浜地裁に提唱していたものですが、その現場を目撃した人は誰もおらず、時刻も特定できない。提訴を受けた横浜地裁としても相当困ったはずですよ』
(中略)
司法筋によると、深見青山は訴訟内容そのものについて全面否定したという。
『深見さんの性格からして、少しでもやましいところがあれば全部否定はできない。いわゆるセクハラの事実もなかったし、訴訟そのものの動機と目的は嫌がらせとお金目当てと見て間違いないな』(OとY両嬢を知る元コスモメイトスタッフ)」。
(ゼンボウ平成6年2月号より)
これでは裁判長も弱ったのであろう、深見青山に和解を強く勧めるも、セクハラしていない深見青山は当然拒否した。
だがその頃、女性側にも環境の変化があった。20人もの弁護士を付けられて訴訟を提起したものの、その途端、Mとは連絡が取れなくなったという(既に退職した、当時のコスモメイト広報部長が、実際に女性の1人から聞いた話)。
いわいるハシゴを外されたのである。
深見青山(深見東州の前名)は、裁判長からこう持ちかけられたという。
「否認のままで良いし、慰謝料や和解金ではない、解決の為の『解決金』で良いから、終わらせてはどうか。そうでないと、立証するものが何もないこの裁判は、どこまでも泥仕合になり、お互いが傷つくだけだ。しかし、女性のほうから引っ込みはつかないものです」。
人づてに、かつて弟子だった女性2人の状況も聞いていた深見青山(深見東州の前名)は、「身に覚えのない慰謝料請求などには一切応じない。だが一方、職も失い仲間に裏切られた者を救わないのは、宗教者とは言えない」と考えたという。
そこで最終的に、裁判長の勧進通りの和解が成立した。
2人が今後の人生を有意義に生きていける資金の拠出として、「否認のまま解決金」を出すという解決を、マスコミは妄想逞しく、面白おかしく書き立てたが、女性の1人は、深見青山の温情に感じ入り、後に深見青山の事務所まで詫びに訪れている。
一方で、Mの仲間らは、女性2人に「入手した解決金はM先生のお蔭だから、Mに渡すように」と詰め寄ったという(既に退職した、当時のコスモメイト広報部長が、実際に女性の1人から聞いた話)。
当時の女性誌「微笑」は、深見青山(深見東州の前名)に直撃インタビューした。
深見青山はこう語っている。
「身内の恥をいいたくないのですが、コスモメイトの有力幹部が分派活動をしていて、それが発覚。辞職させられたことへの、意趣返しとして、ありもしない不当労働行為やらセクハラを持ち出したのです。それに対して、私は宗教家として対応するしかありませんからね」
「(訴訟における請求額は)裁判に勝って初めて手に入れられるものです。しかし、裁判となれば、原告側の主張がすべてくつがえされ、一銭も手に入れることができなくなってしまう。何しろ、原告側には、20人近い弁護士がついてるんですから、その裁判費用だって大変です。だから、不毛な裁判など止めて、新しい人生を送ってほしいという意味を込めての、解決金なのです」
この「微笑」記事に関わったジャーナリストは、「女性陣も、当初はM一派の言いなりだったにせよ、途中でもうイヤになったんじゃないか。もし、ずっとM一派のシンパだったり、深見青山教祖を心底恨んでいたら、どこまでも嫌がらせをするため、最後の最後まで裁判を長引かせただろう。しかし、そうはならなかった。女性2人が、M一派の指示で裁判を始めたものの、途中でハシゴを外され嫌気がさしたと聞けば、確かにそう思わせる展開だった」と当時を振り返る。
「週刊報道」より引用